ロシア軍、アウジーイウカ制圧 ウクライナにさらに攻勢か

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一時的な陣地を築くウクライナ軍兵士=ウクライナ・アウジーイウカ近郊/Anatolii Stepanov/AFP/Getty Images

一時的な陣地を築くウクライナ軍兵士=ウクライナ・アウジーイウカ近郊/Anatolii Stepanov/AFP/Getty Images

ドネツク州の掌握は当初からプーチン大統領の侵攻目的だったが、ウクライナはいまも同州のおよそ半分を支配している。ロシアが数カ月かけて奪ったのは、アウジーイウカ市内および周辺の30平方キロメートルに過ぎない。

南部ではすでにロシア軍による最初のウクライナ防衛線の偵察が始まっている。ウクライナ軍によると、ロシアは17日に十数回ウクライナの防衛線突破を試み、「30の兵器と相当数の人員を割いた」攻撃で戦車3両が破壊され、ロシア兵士数十人が死亡した。

「ザポリージャ方面で失った陣地はない。敵は甚大な損失を被った。我々は敵の攻撃を食い止めている」(ウクライナ軍)

だがロシアの軍事ブロガーは違う意見だ。ロシア第42および第76部隊は昨年ウクライナが奪還したロボティネの村から約2キロ前進し、砲弾と空爆でウクライナの防衛拠点を攻撃したと伝えている。

他の地域の例にもれず、ここでもロシア軍は防御の手薄なウクライナ前線部隊に対し、500キロの滑空爆弾を広範囲で大量投下している。

「大天使特殊部隊Z」と名乗るロシア人ブロガーは、「空挺(くうてい)部隊がザポリージャ方面に向けて強大な大砲を準備している! すでに一部の地域では攻撃作戦が実行中だ」と主張している。

前線のウクライナ部隊にとって見通しは厳しいが、ロシア軍にも甚大な死者や負傷者が出ている。

ゼレンスキー大統領は17日、アウジーイウカではウクライナ兵1人に対してロシア兵7人が戦死していると発言した。

ウクライナ軍司令部の主張によれば、今年1月1日から2月15日まで、アウジーイウカからザポリージャ西部にかけた地域では「2万18人の人員と199両の戦車、481の装甲戦闘車が失われた」という。

こうした情報を確かめることはできないものの、米政府関係者は以前からロシア軍が粗略な戦略で甚大な損失を被っていると発言してきた。

だがロシアは相変わらず、損耗もいとわず数千人を戦場に送り込むという戦法だ。ロシアが抱える予備役の人数はウクライナ予備役の比ではない。

米連邦下院議会が600億ドルの追加支援法案を可決しないため、現在ウクライナには武器や弾薬が不足している。その間ロシアは大砲、装甲車両、空軍力の優位性を思う存分発揮している。

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