パプアニューギニア、バイデン氏の「人食い人種」発言に反発
(CNN) バイデン米大統領が先週、第2次世界大戦で戦死したおじについて、南太平洋の島国パプアニューギニア付近で遺体を「人食い人種」に食べられた可能性を示唆した発言に対し、同国が強く反発している。
バイデン氏は17日、東部ペンシルベニア州で戦没者追悼行事に参加した後、大戦中におじの乗った米軍機がニューギニア島付近の「人食い人種の多い地域」で撃ち落とされ、「遺体は収容されなかった」と発言した。
さらに同日のスピーチで、「ニューギニアのあのあたりには実際に人食い人種がたくさんいたので、遺体が見つからなかった」とはっきり述べた。
パプアニューギニアのマラぺ首相は22日の声明で、バイデン氏が言い間違えた可能性もあると認めつつ、「わが国がそんなレッテルを貼られる筋合いはない」と主張した。
パプアニューギニアはニューギニア島の東半分と、周りにある600以上の島で構成される。この地域では20世紀半ば、奥地の部族に人肉食の習慣があったことが記録されているものの、同国は近年、イメージの払拭(ふっしょく)に苦心してきた。
SNSには同国から「過去の歴史のせいで人食い人種だと思われたくはない。私たちは現代文明の一部だ」「バイデン氏はなんのたわ言を抜かしているのだ」などのコメントが書き込まれた。
トカチェンコ外相は、バイデン氏の「無知な発言」が米国との関係に悪影響を及ぼす可能性もあると警告した。戦略的な重要性を持つ同国をめぐっては、米国と中国が影響力を強めようと競い合っている。
在パプアニューギニア米大使館は24日、米国は同国の国民と文化を敬い、さらなる関係発展に努めるとの声明を出した。