ウクライナ大統領、アジア安全保障会議に急きょ出席　中国のロシア支援で「戦争長期化」

シンガポール（ＣＮＮ） ウクライナのゼレンスキー大統領は２日、急きょ訪問したシンガポールで「アジア安全保障会議（シャングリラ・ダイアローグ）」に出席し、中国がロシアを支援することでウクライナでの戦争が拡大するとして、アジア太平洋諸国に対して、スイスで月内に開催が予定されている「ウクライナ平和サミット」に参加するよう呼び掛けた。ゼレンスキー氏は、ロシアが平和サミットの開催を妨害しようとしていると非難した。

ゼレンスキー氏は記者会見で、「中国がロシアを支援することで、戦争が長期化するだろう。そのことは全世界にとって、そして、領土の一体性と主権を支持し、それを公式に宣言している中国の政策にとっても悪いことだ」と語った。

中国はウクライナでの戦争をめぐり中立の立場を主張し、平和を呼び掛けるとしている。ロシアが２０２２年２月にウクライナに対する侵攻を開始して以降、中国はロシアにとって重要な経済上の生命線となったほか、ロシアとの戦略的、外交的なつながりをさらに強めている。

米国は、中国が「軍民両用（デュアルユース）」の物品をロシアに輸出し、ロシアの防衛産業基盤を強化していると主張し、そうした支援は重大な結果を招くと中国政府に警告している。中国はこうした主張を否定しており、いずれの側にも武器は供給しておらず、軍民両用品についても厳格な輸出規制を維持しているとしている。

ゼレンスキー氏は、そうした中国による支援を示唆し、ロシアの兵器を構成する部品が「中国から来ている」と述べた。

ゼレンスキー氏は、ロシアが中国の助けを借りて、平和サミットに参加しないよう各国に圧力をかけようとしていると警告した。

ゼレンスキー氏は、中国が平和サミットに参加しないと明らかにしたことについて質問を受け、ロシアが中国の外交を使い、サミットを妨害していると非難した。