サイバー犯罪の首謀者か 中国人の容疑者逮捕、膨大な資産差し押さえ 米司法省発表
(CNN) 新型コロナ対策補助金の不正受給などに利用されたサイバー犯罪ネットワークの運営にかかわったとして、中国人の男がシンガポールで逮捕され、数千万ドル相当の不動産や高級車などが差し押さえられた。米司法省が29日に発表した。
発表によると、逮捕されたのは35歳の中国人の容疑者で、ウイルスに感染させた膨大なコンピューターのネットワーク(ボットネット)形成に関与した疑いがもたれている。このボットネットは爆破予告や児童搾取の犯罪、金銭詐欺などさまざまな手口に利用されていたとされる。コロナ禍では米政府による補助金の虚偽申請に利用され、米政府におよそ59億ドル(約9300億円)の損失を生じさせた。
容疑者はこうしたサイバー犯罪を通じて得た金で、ぜいたくざんまいの生活を送っていたという。
米連邦捜査局(FBI)によると、捜査当局は高級時計とフェラーリやロールスロイスなどの高級車約400万ドル相当と、東アジアや中東、カリブ海諸国、米国の不動産およそ3000万ドル相当を差し押さえた。容疑者はボットネットを貸し出して得た金で、そうした不動産などを購入していたとされる。
摘発にはシンガポールとタイの当局が協力した。
米政府は容疑者の身柄の引き渡しを求めており、別の容疑者についても捜査を進めている。
検察によると、容疑者らは仮想プライベートネットワーク(VPN)を通じて不正なコードを拡散させ、世界各地で1900万台のインターネット機器に感染させていたとされる。