仏独首脳、ウクライナのロシア領攻撃を容認 供与の武器で
(CNN) フランスのマクロン大統領とドイツのシュルツ首相は28日、ロシアがウクライナを攻撃するのに使っている軍事拠点に限定して、ウクライナが欧米諸国から供与された兵器を使ってロシア領を攻撃することは認められるべきとの考えを示した。
マクロン氏は訪問先のドイツでの共同記者会見で、フランスがウクライナに供与した長距離ミサイルなどの兵器をロシア領の基地への攻撃に使用することは認められていると明言。ウクライナへの攻撃でミサイルを発射している軍事拠点を無力化するのに、供与の兵器を使うことは認められるべきだと述べた。
ただし、民間施設や他の軍事施設などへの攻撃には使われるべきではないとした。
シュルツ氏も供与国が示した条件と国際法を尊重する限り、ウクライナは供与された兵器を自衛に用いることができると述べ、マクロン氏と足並みをそろえた。
ウクライナへ供与した兵器をめぐっては、西側諸国はこれまでウクライナ領内での使用に限定すべきとしてきた。これは供与の兵器がロシア領への攻撃に使用された場合、北大西洋条約機構(NATO)を巻き込んだ戦争に発展しかねないとの懸念からだ。
これに対し、ロシア領から発射されるミサイルなどで大きな被害を受けているウクライナのゼレンスキー大統領は同盟国に、供与された武器でのロシア領への攻撃を認めるよう、繰り返し求めてきた。
ウクライナにとって最大の武器供与国である米国はこれまで、供与した武器でのロシア領への攻撃を禁じている。ただ、ブリンケン米国務長官は29日、状況の変化に応じて支援を調整していくと述べるなど、方針転換の示唆ともとれるコメントをしている。