米政府、送電網の近代化を発表 クリーンエネルギー活用と停電防止
(CNN) 米政府は28日、クリーンエネルギーへの転換に向け大きな障害となっている米国の老朽化した電気インフラを近代化する措置を発表した。
連邦政府と21州による新しい取り組みは、送電網の迅速な修理と改良を目指すものだ。停電を減らし送電容量を増やすための大がかりな取り組みの一環として、より大規模で近代的な送電網の構築をうたう。現在のインフラは、送電網に供給するクリーンエネルギーを増やし、気候危機を引き起こす地球温暖化汚染を減らすための大きな障害となっている。
南部と中西部で週末、竜巻や暴風により死者が出たのに続き、テキサス州では28日未明、暴風雨により数十万人が停電に見舞われた。非営利団体の最近の報告書によると、暴風雨の強さが増すと老朽化したインフラにかかる負担も増すため、天候に関連した停電が増加している。
米政府とエネルギー省は、州、業界団体、電力規制当局が集う会合で発表を行った。
ホワイトハウスの国家気候顧問を務めるアリ・ザイディ氏は、この新しい取り組みを「前例のない」ものと呼び、「迅速かつ費用対効果の高い方法で送電網の適応を推進する」と述べた。
「我々は異常気象による停電を防ぎ、米国のエネルギー安全保障を強化し、イノベーションを推進するため、送電網の強化に数百億ドルを投資している。これは数十年で最大の公共投資だ」
米国は現在、クリーンエネルギーに関して大きな問題を抱えている。送電網への供給準備ができている太陽光発電の電力だけでも、現在送電網に供給されている全エネルギー量を上回る。気候危機と闘い、風力や太陽光などによる安価でクリーンなエネルギーの利用量を増やすには、近代化した高電圧送電網が不可欠だ。
米国の電力需要は過去数十年間にわたり比較的横ばいだったが、データセンターや人工知能(AI)での劇的な需要増、電気自動車(EV)の需要により、今後数年間で急増するとみられている。