フレンチ・ゲイツ氏がゲイツ財団を辞職した理由、自身の慈善活動詳細を発表
ニューヨーク(CNN) 米慈善家のメリンダ・フレンチ・ゲイツ氏が、人工妊娠中絶の権利に関する決定を個々の州に委ねた2022年の米最高裁判決を受け、これまで海外のみを対象としてきた支援を、米国人の生殖の自由を支える活動に充てる必要があるとの思いに駆られたと告白した。
「私は長年の間、海外で避妊を支援する活動に力を入れてきた。しかし(22年米最高裁の)ドブス判決を受け、自分の国で生殖に関する権利を支えなければならないと感じるようになった」。28日の米紙ニューヨーク・タイムズに寄せた寄稿でフレンチ・ゲイツ氏はそう記している。
「あまりにも長い間、女性の権利のために闘う団体が資金の欠如のために防戦を強いられる一方で、進歩の敵は攻勢をかけていた。私はこの戦いを対等に持ち込む支援がしたい」
世界有数の資産家で著名慈善家のフレンチ・ゲイツ氏は今月、元夫でマイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏と共に20年以上前に創設したビル&メリンダ・ゲイツ財団の職を6月7日付で辞すと発表。離婚協議の一環としてゲイツ財団から125億ドル(約2兆円)を受け取り、女性支援の慈善活動に力を入れる意向を示していた。
今後の活動の詳細を明らかにしたのは28日が初めて。フレンチ・ゲイツ氏は自身が設立した「ピボタル・ベンチャーズ」を通じ、世界の女性の権利向上のために26年の1年間で10億ドルを寄付すると表明。このうち2億ドルは、女性の生殖の権利のために闘う団体の支援に充てる。
さらに女性の心と体の健康増進を支援する組織にも2億5000万ドルを寄付する。