ケニア大統領、増税法案を撤回 死者発生のデモ受け
(CNN) ケニアで新たな税金を導入する法案に反対するデモが各地に広がり、23人が死亡する事態に発展したことを受けて、同国のルト大統領は26日、国会が可決した増税法案に署名しないと表明した。
ルト氏はテレビ演説で「2024年の財政法案の内容について続けられている対話に真剣に向き合い、また国民の声に耳を傾け、私は譲歩する。法案には署名しない」となど語った。
ケニアは安定した国と評価されることが多いが、公的債務を減らそうと政府が示した増税案をめぐっては国民が反発し、混乱が広がった。このため、政府は先週、案に盛り込んでいたパンや自動車、食用油、モバイル送金への課税を撤回した。だが生活費が高騰する中で、そうした譲歩では反発は収まらなかった。
ルト大統領の増税法案撤回の表明は、ケニアで死者が出たデモの翌日に行われた/Tony Karumba/AFP/Getty Images
首都ナイロビでは25日、デモ隊が議会を襲撃し、治安部隊が催涙ガスや実弾を発砲して死者が出る事態に発展した。CNN提携局のNTVケニアは、デモ隊が議会の建物に放火し、議員らが避難したと報じた。
同国で警察改革などに取り組む市民団体によると、今回のデモで少なくとも23人が死亡した。警察は議会の外での抗議に参加していた武装していない若者を標的にし、抗議デモが終わった後も人々に対し発砲したとも非難している。
こうした指摘は、ルト氏が演説の中で言及した詳細とは異なる。また、ルト氏は演説の中で6人が死亡したと述べた。