NATO、中国保有の欧州インフラ回収を議論 ロシア支援への利用を懸念

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中国の「一帯一路」構想の主要プロジェクトの一つであるブダペスト・ベオグラード鉄道=4月29日、セルビア・ノビサイド/Li Ying/Xinhua/Getty Images

中国の「一帯一路」構想の主要プロジェクトの一つであるブダペスト・ベオグラード鉄道=4月29日、セルビア・ノビサイド/Li Ying/Xinhua/Getty Images

(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)当局者は、東欧でロシアとのより広範な紛争が勃発した場合に備え、欧州で中国が所有するインフラプロジェクトの一部を取り戻す措置について検討している。協議に詳しい当局者3人がCNNに明らかにした。

ある米国当局者は、紛争が拡大した場合、中国が欧州で所有するインフラを利用してロシアに物的支援を行う恐れがあるとの懸念を示す。

こうした議論は、NATO同盟国が中国への注視を強めていることを反映している。米ワシントンで設立75周年の記念式典などが開かれた今回の首脳会議では10日、32カ国の首脳による共同声明を発表。ロシアに対する中国の支援を強く批判した。

インフラへの措置に関する議論はまだ初期段階にあり、NATO加盟国の関与の度合いはさまざまだという。NATOの外交官の1人は、議論を主導する米国は、必要な支援を確保するため、二国間で議論を進める必要があると示唆した。

中国は2013年に欧州各国が署名し始めた一帯一路構想の下、東欧と中国を結ぶ鉄道から北海やバルト海の港にいたるインフラ投資に数百億ドルを投じてきた。

NATO当局者は、戦争が勃発した場合、インフラは「ほぼ確実に国有化されるか、緊急安全保障措置の下、各国が一時的に運営管理を引き継ぐことになる。中国は事後的に法廷で訴える可能性がある」と述べた。

米国の高官は、議論はローテク分野にとどまらず、量子コンピューティング、半導体、通信インフラなどのハイテク分野にも及んでいると述べている。

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