米情報当局者、大統領選激戦州でのロシアの工作に警鐘

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投票所を訪れた有権者=2022年11月、米アリゾナ州フェニックス/Kevin Dietsch/Getty Images/File

投票所を訪れた有権者=2022年11月、米アリゾナ州フェニックス/Kevin Dietsch/Getty Images/File

(CNN) 米国家情報長官室(ODNI)の当局者は9日、匿名で記者団に対し、ロシアの工作員が「SNSをひそかに利用」して2024年の米大統領選の激戦州で世論を揺さぶり、ウクライナへの支持を弱める計画を立てていると述べた。

当局者は、「ロシアが特定の有権者層を対象として、分裂を生むような話を広め、特定の政治家を中傷しているのを目にし始めている」と明らかにした。

この当局者は詳細を明かさなかったものの、米情報当局は以前、20年の大統領選でロシアがバイデン候補を中傷し、トランプ候補を支持するためにさまざまな工作を行ったと評価していた。ロシアの米大統領候補に対する好みは過去の選挙から変わっていないという。

こうした発言は、今回の大統領選でロシア、中国、イランが二極化した米国民に与えようとする影響について米諜報(ちょうほう)機関がどのように評価しているかを伝える、これまでで最も明確な声明だった。

ODNI当局者は「ロシアは顕著な脅威だ。イランは混乱の元凶であり、中国は大統領選での攻撃は控えている」と述べた。中国が様子見なのは、民主・共和両党とも中国を封じ込めようとしていることからどちらを選んでも得るものがほとんどないからだという。

この3カ国はいずれも米国選挙への干渉を否定している。

ODNI当局者は、ロシア工作員は人工知能(AI)により、米南部や中西部のなまりをまねることができるようになったと述べた。

司法省は9日、ロシア工作員が米国住民を装ってウクライナ戦争に関するロシア政府のプロパガンダを広めていたとする約1000件のSNSアカウントを遮断したと発表した。

ODNI当局者によれば、イランはSNSなどを駆使して「選挙をめぐって社会的分裂をあおり、米国の民主制度への信頼を損なおうとしている」。イランは米国でパレスチナ自治区ガザ地区の紛争に関連する抗議活動をひそかにあおろうとしているという。

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