バイデン氏の今後を左右か、米上下両院で9日に民主党会合
ワシントン(CNN) 先月の討論会が惨たんたる出来に終わり、再選をめざすバイデン米大統領の選挙戦が混乱に陥る中、民主党議員の間では、現地時間9日(日本時間10日)がバイデン氏の政治家としての今後を左右する日になるとの見方が出ている。
バイデン政権内の複数の民主党関係者などはここ数日、CNNに対し、9日午前に行われる下院民主党の会合、そして午後に行われる上院民主党の会合が大統領の命運を決する可能性が高いと指摘してきた。
バイデン氏は「全能の神」のみが選挙戦撤退の決断を促すことができると述べているものの、民主党幹部の間では、最終決定権を握るのはシューマー米上院院内総務やジェフリーズ下院院内総務を含む党指導部だとの見方が出ている。
ある民主党幹部はCNNの取材に、バイデン氏に撤退を説得しうる唯一のシナリオとして、「シューマー氏とジェフリーズ氏は『議会はあなたに反対だ』と告げざるを得なくなるだろう」と指摘した。
シューマー、ジェフリーズ両氏は8日、バイデン氏支持を公に表明した。しかし両氏は全議員を相手にしており、各委員会の上級メンバーの間では支持が減退しつつある。こうした支持減退の程度に応じて、民主党はバイデン氏を支持するか、撤退を要請するかどうか決めざるを得なくなるだろう。
9日午前に行われた下院民主党の会合で、ジェフリーズ氏はすべての派閥から寄せられた懸念や不満に耳を傾けた。
ただ、会合を終えた民主党は結束を打ち出すどころか、意見の一致も今後の明快な見通しもない状況だった。
バイデン氏の盟友、クライバーン下院議員は会合を「非常に前向き」だったと評したものの、出席した別の民主党議員はCNNに対し、室内には「衰えが目立つ愛する人について話す」ときの「悲しさ」が漂っていたと明かした。
バイデン氏への民主党の支持に最初の亀裂が入ったのは2日、精彩を欠いた討論会の5日後だった。テキサス州選出のドゲット議員が民主党で初めてバイデン氏に撤退を要請した。その後、複数の下院議員がドゲット氏に続いたが、幹部層は断固としてバイデン氏を貫くか、もしくは選挙戦継続の是非に関する質問を避けている。