ベネズエラ大統領選、「マドゥロ氏勝利」の発表に抗議デモ
マリア・マチャド元国会議員が率いる野党連合はマドゥロ氏の勝利を否定し、野党統一候補の元外交官、エドムンド・ゴンザレス氏が73%以上の票を獲得したとする独自の集計結果を発表した。事前の世論調査では野党を支持する声が強く、マドゥロ氏の劣勢が伝えられていた。
マドゥロ氏はチャベス氏が2013年に死去した後、後継者として反米左派路線を引き継いだ。2期連続12年の在任を経て、3期目を目指してきた。
ベネズエラは強権的なマドゥロ政権下で経済混乱が続き、深刻な状況に陥っている。欧米はマドゥロ政権に対し、経済制裁で圧力をかけてきた。物資不足とインフレに耐えかねて約800万人の市民が国外へ脱出し、一部は米国に流入している。
マドゥロ氏は昨年、制裁緩和と引き換えに自由で公正な選挙を実施すると約束していたが、不正の指摘により、国際社会での同国の復権は危ぶまれている。
先月実施された世論調査では、大統領選でマドゥロ氏が政権にとどまった場合に国外脱出を考える市民が全人口の3分の1を占めると推定された。
米政府は29日、マドゥロ氏勝利の信頼性に懸念を示し、ベネズエラ政府に具体的なデータの開示を求めた。
南米の大国ブラジルの外務省はやや抑えた論調ながら、開票結果の透明性と信頼性、正当性を確認するため、投票所別のデータが公表されるのを待つと述べた。
大統領選の監視を認められたごく少数の国際団体のうち、米NGO「カーター・センター」と国連も、選管に投票所別の結果発表を求めている。
一方、ベネズエラ政府はアルゼンチン、チリ、コスタリカ、ペルー、パナマ、ドミニカ共和国、ウルグアイを「米国に従属する右翼政権」「下劣極まりないファシスト思想の持ち主」と非難し、各国の外交スタッフを追放すると表明した。
ロシアのプーチン大統領はSNSを通してマドゥロ氏に祝意を表明。「国家元首としてのあなたの活動があらゆる方面の進歩的な発展に寄与することを確信している」「ロシアへの訪問をいつでも歓迎する」と述べた。