ハリケーン「ベリル」、史上最も早く「カテゴリー5」に 6人死亡、ジャマイカ厳戒
(CNN) カリブ海の島国で大きな被害を出している猛烈なハリケーン「ベリル」が、さらに勢力を増して最も強い「カテゴリー5」に発達した。3日にはジャマイカ、4日にはケイマン諸島が暴風や高潮に襲われる見通しで、命の危険もあるとして各国が警戒を呼びかけている。
ハリケーンシーズンが始まったばかりの異常に早い時期に発生したベリルは、史上最も早くカテゴリー5に発達。7月にカテゴリー5のハリケーンが記録されたのは、2005年の「エミリー」に続いて史上わずか2度目だった。ベリルの勢力がこれほど強まったのは、地球温暖化に伴う異常に温暖な海水温の影響だった。
米国立ハリケーンセンターによると、ベリルは3日、ジャマイカ島南部に上陸する見通し。ジャマイカに大型ハリケーンが上陸するのは30年以上ぶりとなる。
![2日朝にレーダー画像で確認されたハリケーン「ベリル」/CNN](/storage/2024/07/03/ab7644d4c1d6e19ab64de56c524ecb00/a41132ef-6c43-4fd0-bdbe-7c99b517d90b-thumbnail.jpg)
2日朝にレーダー画像で確認されたハリケーン「ベリル」/CNN
ジャマイカ政府は2日、ベリルの接近を受け、食料や水、電池などを蓄えるよう国民に呼びかけた。
![ハリケーンが来る前にフェンスに繋がれたボート=2日、ジャマイカ・キングストン/Ricardo Makyn/AFP/Getty Images](/storage/2024/07/03/2bea7d2255f1034837a8607cda2035fa/096f75bf-e156-47dc-9a94-45bc105b9901-thumbnail.jpg)
ハリケーンが来る前にフェンスに繋がれたボート=2日、ジャマイカ・キングストン/Ricardo Makyn/AFP/Getty Images
ベリルに直撃されたカリブ海の島国や南米ベネズエラでは、これまでに少なくとも6人が死亡している。
このうちベネズエラでは、ベリルの影響で2人が死亡、少なくとも5人が行方不明になった。
1日にベリルに直撃されたグレナダでは少なくとも3人が死亡。わずか数分で建物が破壊され、グレナダ島のほぼ全土で停電が発生して通信が途絶した。
隣国のセントビンセント・グレナディーンでは少なくとも1人が死亡した。病院などが停電や断水に見舞われ、同国のユニオン島では住宅の約90%が全半壊。セントビンセント島でも住宅や学校、教会、政府庁舎など数百棟に大きな被害が出ている。