ハリケーン「ベリル」、ウィンドワード諸島通過しジャマイカへ 1人死亡の報告

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ハリケーンの襲来で冠水したカリブ海の島国バルバドス首都近郊の街路/Ricardo Mazalan/AP

ハリケーンの襲来で冠水したカリブ海の島国バルバドス首都近郊の街路/Ricardo Mazalan/AP

(CNN) 非常に強いハリケーン「ベリル」が1日、カリブ海南東部のウィンドワード諸島を通過し、破壊的な暴風と集中豪雨をもたらした。

ベリルは同日午前11時すぎ、最大風速約67メートルの勢力をともなってグレナダ領カリアク島に上陸した。同島が属するグレナディーン諸島を通過したハリケーンとしては、観測史上最大の強さとされる。

グレナダのミッチェル首相は1日の記者会見で、カリアク島と姉妹島のプティト・マルティニーク島で大規模な被害が報告され、「カリアクはわずか30分で壊滅状態になった」と述べた。死傷者の報告はないとしたうえで、今後状況が変化する可能性も指摘した。

首相府の報道官によると、各地で送電設備が破壊され、主島のグレナダ島では95%の地区が停電。通信も遮断され、一部の世帯でインターネットが使えなくなった。

学校や事業所はすべて閉鎖され、空港も運用を停止した。病院と警察だけが業務を続けている。グレナダ総督が30日夜に出した緊急事態宣言は、2日午前まで続く。

がれきなどが散乱した道路を移動する住民=バルバドス/Nigel R Browne/Reuters
がれきなどが散乱した道路を移動する住民=バルバドス/Nigel R Browne/Reuters

一方、同じウィンドワード諸島に属するセントビンセント・グレナディーンでは少なくとも1人の死亡が報告された。数百棟の家屋や建物も損壊したという。ゴンサルベス首相が明らかにした。

ベリルはハリケーン観測史上最も早い時期に、大西洋でカテゴリー4に発達した。6月にカテゴリー4を記録したハリケーンは史上初めて。海水温の異常な高さによる影響が指摘される。

ベリルは1日夜の時点で風速約67メートルを維持し、グレナダの北西約200キロの海上を時速約34キロで西北西へ進んでいる。ハリケーン級暴風圏は中心から約64キロ、熱帯暴風雨級暴風圏は同約200キロに及ぶ。

2日にはカリブ海南東部から中部を通過し、3日にジャマイカ付近を通過する見通し。5日午前ごろにメキシコのユカタン半島付近に再上陸する可能性もある。

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