ベネズエラ大統領選、「マドゥロ氏勝利」の発表に抗議デモ
カラカス(CNN) 南米ベネズエラの大統領選で、選管が29日、現職マドゥロ氏の勝利を正式に発表したのに対し、各地で抗議デモが続発している。
首都カラカスでは、治安部隊が大規模なデモ隊を解散させようと催涙ガスを使用した。市民らは大通りを行進し、大きな音で鍋をたたくなどして抗議の声を上げた。
ベネズエラの人権NGO「PROVEA」は、親マドゥロ派の武装グループが平和的なデモ隊に向かって発砲したと主張している。
北部の都市マラカイの反政府活動家はCNNに「市民は真実の開示を求めている。私たちは本当の結果を知っているからだ」と語った。
SNSには、北西部ファルコン州でデモ隊がマドゥロ氏の像を倒す場面の映像が投稿された。
アナリストらによると、国内に新たな暴動が広がる可能性もあり、マドゥロ氏の対応が注目される。近年のデモは、マドゥロ氏やチャベス前大統領を支持する軍の出動で鎮圧されてきた。
28日投票の大統領選では、選管本部で29日、マドゥロ氏の勝利を宣言する式典が開かれ、本人が笑顔で登場して喝采を浴びた。選管は親マドゥロ派のメンバーで構成されている。
最終的な集計結果はまだ発表されていないが、選管責任者は勝者の発表に先立ち、「ベネズエラには世界最高の選挙制度がある」と主張した。
その一方で、集計作業に野党代表者の立ち会いが認められず、選管が集計の途中で打ち切りを指示したとされるなど、不正の指摘が相次いだ。