アサド氏に「秘密刑務所」の場所明かすよう圧力を、シリア救助組織がロシアに呼び掛け
(CNN) アサド政権が崩壊したシリアのボランティア救助組織「シリア民間防衛隊」(通称ホワイトヘルメッツ)は10日、ロシアに対して、シリア国内にある秘密の刑務所の場所を明らかにするようアサド前大統領に圧力をかけるよう求めた。
反政府派が首都ダマスカスを掌握した後、アサド氏は主要な同盟国の一つであるロシアに逃亡した。
ホワイトヘルメッツのディレクター、ラエド・サレー氏はX(旧ツイッター)への投稿で、仲介国を通じて国連に要請書を提出して、ロシアに対し、秘密の刑務所の場所の地図と拘束者のリストを引き渡すようにアサド前大統領に圧力をかけるよう求めたと明らかにした。
サレー氏は、アサド政権が殺害や拘束、拷問を通じて、シリア人に対して行った残虐行為や犯罪は筆舌に尽くしがたく、母親たちの苦痛と心痛を長引かせていると指摘。犠牲者のための裁きと加害者の責任追及が必要であり、それが傷を癒やし、和平構築の取り組みを支援する第一歩だと述べた。
アサド政権の拘禁施設は1970年代にまでさかのぼり、敵対者とみなされた者が姿を消したブラックホールだった。
なかでもサイドナヤ刑務所は最も悪名高い施設の一つであり、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによれば、2011年から15年の間に、最大1万3000人が絞首刑となった。反体制派はサイドナヤ刑務所から多くの受刑者を解放した。オンライン上では秘密の監房に関する臆測が高まったが、ホワイトヘルメッツは秘密の封鎖地区の証拠を発見することができなかった。