米検察、シリア元高官2人を戦争犯罪で起訴 「米国人らを拷問」

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シリア軍兵士が持ち場を離れたためメゼ空軍基に放棄された戦車=8日/Ali Haj Suleiman/Getty Images

シリア軍兵士が持ち場を離れたためメゼ空軍基に放棄された戦車=8日/Ali Haj Suleiman/Getty Images

(CNN) 米司法省は9日、シリア情報当局の元高官2人を戦争犯罪で起訴したと発表した。2人は、シリア軍の施設に収容された米国人らに対する拷問の責任を問われている。

米検察によると、起訴されたのは元空軍情報部のジャミル・ハッサン被告(72)とアブドゥル・サラム・マフムード被告(65)。

2人は内戦中のアサド前政権下で、首都ダマスカス近郊のメゼ空軍基地に設けられた収容所の運営を担っていた。収容所では民間人らに対し、殴る、電気ショックをかける、手首から宙づりにする、酸をかける、爪をはがすなどの拷問が加えられていた。

司法省によると、収容された人々は、拷問に苦しむ声を聞かされたり、遺体と同じ部屋に入れられたり、看守から家族を殺す、性的暴行を加えると脅されたりすることもあった。十分な食事や水、医療も与えられなかった。

検察は、両被告が収容所内に「恐怖の空気」をつくり出したと述べた。

シカゴの連邦裁判所に提出された起訴状によると、2人は戦争犯罪を共謀した罪に問われ、すでに逮捕状が出されたが、まだ拘束されていない。

起訴状によれば、拷問は2012年1月から19年7月までの間、前政権の敵とみなされたシリア国民や、米国人を含む外国人、二重国籍者に対して行われた。

ハッサン被告は情報当局の責任者として各収容施設を監督し、マフムード被告はメゼ収容所の所長を務めていた。両被告は反体制デモや医療支援、政権批判、政権側との戦闘を通して反体制派に協力したとされる被収容者への脅迫や処罰、殺害などを共謀したとされる。

米政府が米国人への戦争犯罪を対象とする国内法を適用したのは2回目。司法省は昨年、ウクライナ在住の米国人に対する戦争犯罪で、ロシア兵4人を起訴していた。

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