地下鉄で叫び声上げた男性の首押さえつけ死亡させた罪、被告に無罪評決 NY

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地下鉄内での過失致死傷罪に無罪評決、専門家の反応

ニューヨーク(CNN) 米ニューヨークの地下鉄で昨年、乗客のホームレスの男性の首を押さえつけて死亡させたとして元海兵隊員の男が起訴された裁判で、同地の裁判所は9日、被告に無罪の評決を下した。

ダニエル・ペニー被告(26)は過失致死罪で無罪を言い渡された。当初はより重い第2級故殺の罪に問われていたが、マクスウェル・ワイリー判事は6日、検事からの要請でこの訴えを取り下げた。これに先駆け、陪審員団は2度にわたり、この罪状に関しては評決に至ることができないと裁判所に伝えていた。

ペニー被告は過失致死罪で有罪になれば最長で禁錮4年、故殺罪で有罪になれば最長で禁錮15年を言い渡される見通しだった。

無罪評決が読み上げられると、法廷では拍手が起こった。ペニー被告は無罪評決を下した陪審をじっと見つめ、うなずいて謝意を示した。顔には笑みが浮かんでいた。

法廷で評決を聞いていた被害者の父親は、周囲に聞こえるほどの音量で悪態を口にし、法廷の外へ移動させられた。

陪審団による過失致死罪の審議時間は、9日のわずか1時間超だった。第2級故殺罪は6日までに合計19時間審議して結論が出なかった。

事件は昨年の5月1日、ニューヨークの地下鉄の車内で起きた。路上のパフォーマンスで生計を立てていたジョーダン・ニーリーさん(30)が空腹で喉(のど)がかわき、死んでも構わないと叫び声を上げたところ、乗り合わせていたペニー被告に押さえられ、首を絞めつけられた。ニーリーさんはそのまま意識を失い、搬送先の病院で死亡した。

事件への反応は住民らの間で二分した。地下鉄内での騒ぎは多くの住民が経験するところだが、一方で精神疾患や人種間の関係性、正当な保護と私的制裁の線引きなどを巡る広範な疑問も浮かび上がった。

黒人差別に反対するブラック・ライブズ・マター(BLM=黒人の命も大切だ)運動の参加者は裁判所のすぐ外で、差別の犠牲者のリストにニーリーさんの名前を書き足した。

裁判で検察側は、事件当時のペニー被告の行動は無謀かつ不注意であり、ニーリーさんの動きが止まってからも長い時間首を絞め続けたと主張した。

これに対し弁護側は、ペニー被告が他の乗客を脅威から守ろうとしたと強調。ニーリーさんが首を絞められたために死亡したとする検死官の判断にも異議を唱えていた。

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