武装勢力が列車乗っ取り、銃撃戦で10人死亡 パキスタン南西部
パキスタン・クエッタ(CNN) パキスタン南西部バルチスタン州で11日、分離派武装勢力が数百人の乗客を乗せた列車を乗っ取り、少なくとも10人を殺害した。政府と鉄道の当局者が明らかにした。
鉄道の当局者が11日夜、CNNの取材に答えたところによれば、死者のうち9人は治安要員。列車の運転士も襲撃の犠牲になったという。
これより前、バルチスタン州政府の報道官はCNNに対し、列車上で「激しい銃撃戦」が起きているとの報告があったと述べた。治安に関わる複数の情報筋は治安部隊が「テロリストを包囲」し、銃撃戦が発生したと説明。武装勢力は「女性や子どもを盾として」利用していたと付け加えた。
列車は11日午後、トンネルに差し掛かったところで武装勢力によって停車させられた。同州クエッタを出発し、北西部ペシャワルへ向かう途中だった。車両は9両、乗客は約450人だったという。
11日夜までに、人質104人が治安部隊によって解放された。前出の情報筋が明らかにした。人質は男性58人、女性31人、子ども15人。負傷した乗客は病院搬送され、残る人質の救出作業はまだ続いていると、情報筋は付け加えた。
分離派武装勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が襲撃について犯行声明を出した。CNNが確認したこれより前の声明では、治安作戦が行われるのであれば、列車で拘束した人質は「処刑される」と警告していた。
バルチスタン州政府は「最後のテロリストを排除するまで」作戦を継続すると明言。情報筋によれば11日夜の時点で武装勢力の戦闘員16人が死亡。さらに多くの負傷者が出ている。
戦闘員らは少数のグループに分断され、治安部隊に包囲されているという。
州政府の報道官は列車について、山岳地帯に位置しているため接近するのが「困難だ」と述べた。