武装勢力列車乗っ取り、人質27人殺害 パキスタン南西部
パキスタン・クエッタ(CNN) パキスタン南西部バルチスタン州で分離派武装勢力が約450人を乗せて走行していた列車を乗っ取った事件で、治安当局の情報筋は12日、人質となっていた乗客27人と兵士1人が殺害されたと明らかにした。これまでに人質約350人が救出された。
列車の襲撃については、分離派武装勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」が犯行声明を出した。
事件発生を受けて、治安部隊が人質救出作戦を展開し、その際、武装勢力と銃撃戦となった。情報筋によると、武装勢力の戦闘員少なくとも35人が殺害されたという。
当局によると、列車は同州の州都クエッタを出発し、北部ペシャワルへ向かっていた。トンネルを走行中に武装勢力が「激しい銃撃」を開始したという。
乗客の1人はCNNに、武装した戦闘員は100人以上おり、女性や子どもに危害は加えていなかったと語った。
政府や軍は、隣国アフガニスタンが武装勢力をかくまっていると長年非難しているが、同国を統治するイスラム主義勢力タリバンは否定している。
バルチスタン州では数十年にわたり反乱が続いており、近年、同州のグワダル港が中国にリースされたのをきっかけに勢いを増している。同港は中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の拠点となっている。
BLAは昨年10月、パキスタンの最大都市カラチで中国人技師や投資家を乗せた車列を攻撃し、少なくとも中国人2人が死亡した。翌月にはクエッタの鉄道駅でBLAによる自爆テロがあり、24人以上が死亡した。