北朝鮮で拘束の米学生、1年以上音信不通 両親は交渉進展を期待
(CNN) 朝鮮半島情勢が緊迫するなか、北朝鮮で昨年から拘束されている米国人学生の両親が2日までにテレビカメラの前で心境を語り、釈放に向けた交渉の進展に期待を示した。
オハイオ州出身でバージニア大学に通っていたオットー・ワームビアさんは昨年1月に北朝鮮を訪れた際、「敵対行為」を理由に身柄を拘束された。
父フレッドさんと母シンディさんはこの1年以上、本人からも北朝鮮当局からも連絡を受けていない。シンディさんは「緊張が高まっている今こそ、息子の話をするべきだと思った」と強調した。
トランプ米大統領は1日、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談する可能性があることを示唆した。フレッドさんはこの発言について問われ、「大統領が米朝関係の改善に向けて何らかの行動を起こすことや、解決策に息子の件を含めることは、息子自身にとって、また我が国にとっていいことだと思う」と評価した。
北朝鮮には現在、オットーさんを含め3人の米国人が拘束されている。
オットーさんは滞在先のホテルから政治標語の掲示物を盗もうとしたとして、昨年3月に開かれた1時間足らずの裁判で15年の労働教化刑(懲役刑に相当)を言い渡された。北朝鮮は判決後、オットーさんが許しを請う映像を公開した。
フレッドさんはこの映像を「つらくて見ていられない」という。オットーさんが旅行に出る前、自宅の居間で壊れた安楽いすを修理しようと一緒に下に潜り、顔を見合わせて笑った場面を振り返って、「息子を帰国させることだけを考えている」と語った。