無人機で麻薬密輸、重さに耐えられず墜落 メキシコ
(CNN) 米国と国境を接するメキシコ北部ティフアナに、麻薬を積んだ無人機が墜落した。警察などは、密売組織が米国への麻薬密輸に無人機を使おうとしているとみて調べている。これまでの密輸では地下トンネルを使うのが常套(じょうとう)手段だった。
ティフアナ警察によると、無人機は20日夜、ティフアナにあるスーパーマーケットの駐車場に墜落した。
同機には約2.7キロ分の合成麻薬が積んであったといい、積み荷の重さに耐えられずに墜落したとみられる。
使われていたのは6枚のプロペラで飛ぶ「スプレディング・ウィングスS900」で、GPSを使って特定の目的地を目指すモデルの試作機だった。
米麻薬取締局の捜査員によると、2.7キロ分の合成麻薬の時価は約4万8000ドル(約600万円)。「国境を越えれば金のような価値がある」という。
麻薬密売組織が無人機を使ってメキシコから米国へ麻薬を密輸しようとしたのは今回が初めてではない。しかし今回の事件で、国境警備や取締役官の身の安全が危険にさらされかねない実態が浮き彫りになった。
麻薬戦争に詳しい専門家は「麻薬組織はこれまで偵察用に無人機を使っていた。麻薬の輸送となると事はさらに複雑になる」「密売組織が豊富な資金力と想像力を持っていることがこれで裏付けられた」と指摘する。
麻薬取締官は「さらに大がかりな密輸に向けた試験飛行だった可能性もある」とみている。