追悼集会で混乱、反移民集団が乱入しナチス式敬礼 ベルギー
ベルギー・ブリュッセル(CNN) ベルギーの首都ブリュッセルで起きた連続テロに関連して27日、犠牲者の追悼集会が開かれていた会場に移民排斥を唱える集団が乱入して参列者との間で小競り合いになり、警察が放水などを行って集団を会場から締め出した。この騒ぎで、テロを巡ってブリュッセル市民の間で分断が起きている現実が浮き彫りになった。
ブリュッセルの金融街にある証券取引所前の広場では22日のテロ以来、連日追悼集会が開かれていた。キリスト教の復活祭(イースター)に当たる27日は、予定されていた平和祈念の行進は治安上の懸念があるとして延期になったものの、犠牲者をいたむ人たちが集まって花や国旗などを供えていた。
ところが午後2時45分ごろ、黒い服を着て顔を隠すなどした数百人あまりの集団が広場に乱入。ナチス・ドイツ式の敬礼をし、火花を散らしたり爆竹を鳴らすなどした。
集団は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」批判の横断幕や、移民排斥を標榜(ひょうぼう)する英極右集団との関連をうかがわせる横断幕を掲げ、追悼集会の参列者と小競り合いになったが、警官隊がこの集団を包囲して1時間ほどで広場から遠ざけた。
捜査当局は引き続きテロ事件を巡る全容の解明に全力を挙げている。連邦警察によると、27日にはブリュッセル市内と周辺で13カ所の捜索を行って9人を拘束。このうち5人は事情聴取を行った後、同日中に釈放した。