世界兵器市場、米が5年連続の売り上げ減 ロシアは増加
ロンドン(CNNMoney) ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は8日までに、2015年の国際兵器市場の動向などに関する調査報告書をまとめ、米国の軍需産業の売上額が5年連続で下落する一方、欧州の競合企業の売り込みが増加したと発表した。
欧州とアジアの関連企業は米企業の市場シェアに徐々に食い込んでいるとも報告した。ただ、米国が世界最大の兵器輸出国であることに変わりはなく、15年の総額は2097億ドルを記録。14年比では3%減だったが、SIPRIの調査では世界全体の中で56%を占めた。
同研究所の武器・軍事支出調査担当部門の責任者によると、米国の兵器売却額の減少は同国政府が進める国防費抑制の政策を反映している。
一方、ロシアの兵器売却額は6.2%拡大した。14年は前年比48%超、13年は前年比20%超の水準となっていた。15年の世界全体の中での比率は8.1%だった。
同国のプーチン大統領は軍事能力の強化に重点投資しており、25年までに最新の装備品調達の達成を目指し7000億ドル(約79兆1000億円)以上の予算をつぎ込む計画を明らかにしている。