世界兵器市場、米が5年連続の売り上げ減 ロシアは増加
欧州の企業による輸出や販売も伸びており、フランスはエジプトやカタールとの契約成立の後押しもあり14年比で13%増を記録。ドイツは7.4%増だった。欧州内での販売額はロシアとの対立関係もあり今後数年間は増加するとも見ている。欧州内では国防費の増大が顕著で、この効果は将来の販売額に反映されるとしている。
英国企業は14年には業績が落ちていたが、15年には2.8%増を記録した。
国際兵器市場で存在感を高めた国の中には韓国も含まれる。同国の軍事関連企業の売却額は自国軍からの活発な発注があり約32%の急増を示した。この成長率は、外国軍需企業への依存度を下げようとする同国の過去50年間の努力が実った結果とも指摘している。
トルコとインドでは昨年、それぞれ約10%増えた。強い国内需要にけん引されているのが要因。トルコは内戦が続くシリアと国境を接し、インドはパキスタンとの対立関係が依然くすぶり、対外要因に絡む国内の危機感は減退していない。
SIPRIの今回の報告書の中に中国のデータは含まれていない。軍事産業に絡んで入手可能な情報が不足しているのが原因。ただ、軍事支出は2000~15年、実質ベースで5倍以上に膨れ上がったとされる。軍事関連産業の国内育成にも注力している。中国の武器輸出は過去10年で相当程度拡大したとも指摘される。