(CNN) トランプ米大統領の娘婿で上級顧問を務めるジャレッド・クシュナー氏の一族は5月、中国で開いた投資勧誘イベントで同氏の名前を出して批判を浴び、謝罪した。だがその後も中国の投資家向けに、政権との人脈をうたった宣伝が続いていたことがCNNの取材で21日までに分かった。
問題の宣伝文は、不動産開発企業クシュナー・カンパニーズがニュージャージー州で進める案件について、投資の勧誘を行っている別の2つの企業がネット上で公開したもの。
この投資話の売りは、米国内のプロジェクトに投資した外国人が永住権を取得できる「EB5」ビザ制度の対象になるという点だ。
当該の2つの企業のうちフロリダ州の企業は5月、中国語の宣伝文を公開。その中で、クシュナー上級顧問がクシュナー社の経営者だったことに言及していた。
またもう一方の中国企業は3月、SNSに「トランプ氏の一族にもEB5プログラムの展開に携わった人々がいる。……クシュナー社は、トランプ氏の義理の息子ジャレッド・クシュナー氏と関係がある。つまり、トランプ時代においてEB5制度は支持を得て、拡大すると思われる」と投稿。この内容は依然としてSNS上の同社のページに掲載されている。
クシュナー社の広報担当者はこれらの記載について「認識していなかった。当社とは何の関係もない」とし、「ジャレッド・クシュナーへの言及をやめるよう書簡を送る予定だ」と述べた。
ジョージ・W・ブッシュ元大統領の下で倫理責任者を務めたリチャード・ペインター弁護士は、大統領の娘婿の名前を宣伝に使うなど倫理的に認められないと語った。
「米政府高官の一族が経営する企業に金を出せばビザ取得で有利な扱いを受けられるなど、認められることではない。だが残念ながら、そう受け取れる記述がこのプロジェクトの宣伝では行われている」