(CNN) アフリカ東部ソマリア沖で活動を活発化させている海賊のリーダー格少なくとも2人がテロ組織に物的支援を提供しているとして、国連と米国が調べを進めていることが分かった。
CNNが独占入手した情報によると、ソマリアに拠点を置く国際テロ組織アルカイダ系の過激派「シャバブ」や過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の分派による武器密輸や、人集めに加担しているとみられる。
このうち1人は、ソマリア海賊が活動を始めた地とされる漁村ハラデレの組織を率いている。2012年にドイツ系米国人のジャーナリスト、マイケル・スコット・ムーア氏が海賊に拘束され、2年半にわたって監禁された事件の主犯格の1人でもある。
CNNが取材した3人の関係者によると、この人物はシャバブが武器や弾薬をソマリアへ持ち込むのを助けてきたとみられる。現在も自ら海賊行為を続けているという。
もう1人は、ソマリア北東部の自治州プントランドの港町カンダラを拠点とするISISの分派組織に武器や人員を送り込んでいるとされる。国連の情報筋によれば、同組織の物資調達に手を貸し、リーダーともつながっている。この人物も最近の海賊事件に関与しているとの情報がある。
ソマリア沖の海賊行為は4年ほど前から沈静化していたが、今年に入ってからすでに12件以上発生している。
トランプ米政権のマティス国防長官は、米軍が最近の状況を注視しているとしたうえで、海賊掃討に「大きな軍事的役割を果たすことはない」と述べていた。しかし、米国が脅威と見なすシャバブへの加担が確実になった場合は、この方針が変更される可能性も指摘されている。