(CNN) 米国のトランプ大統領が「CNN」に見立てた人物を殴りつける動画をツイッターに掲載した問題で、この動画のもとになる画像を投稿したとする男性が4日に謝罪した。CNNはこの前日に男性の身元を突き止め、接触を試みていた。
顔面をCNNのロゴに差し替えたプロレスラーをトランプ大統領が殴りつけるGIF画像は、6月28日に米掲示板サイト「レディット」に掲載された。この画像が加工されて映像化され、音声が加えられて、トランプ大統領が7月2日にツイッターに投稿した。
最初の画像を投稿した男性は、大統領のツイッターの発端になったのは自分だとレディット上で告白。4日に長文の謝罪を投稿し、報道機関に対する暴力は支持しないと言明した。レディットに掲載していた人種差別的な画像なども削除した。
CNNのソーシャルメディア調査班は、この男性がレディットに投稿した内容やフェイスブック検索などをもとに、実名を突き止めていた。
レディットに掲載した謝罪文の中で男性は、騒ぎを起こしたことや、人種差別やユダヤ人差別的な内容を投稿していたことを謝罪。「私は実生活ではメディアが描写しているような人物ではない。荒らしや投稿はレディット仲間に反応してもらおうとやったことであり、そうした投稿の誹謗(ひぼう)中傷はどれも本意ではなかった」と主張した。
CNNに暴力を振るう内容についても、「あれは純粋な風刺として作成した。CNNなどの報道機関に対する暴力を呼びかけるつもりはなかった」と訴え、「誰かがあれを加工して音声を付け、それが大統領のツイッターに投稿されるとは思わなかった」と弁明している。
男性はCNNに電話してきて、本人であることを確認。実名を明かされれば身の安全が脅かされかねず、自分も家族も恥をかくとして、実名は出さないよう求めた。
CNNでは男性が私人であることや、謝罪を表明していること、後悔の念を示してもう2度とソーシャルメディアで見苦しい行動は繰り返さないと表明したことなどを考慮して、当面、実名は出さないことにした。