アマゾン保護区で鉱物採掘を許可、景気刺激へ ブラジル
ロンドン(CNNMoney) ブラジル政府は27日までに、北部のアマゾン地域にある広大な国立保護区の指定を解除し、一般企業による鉱物資源の採掘を可能にする政策方針を発表した。
1984年に指定された保護区はアマパ、パラ両州をまたぐもので、広さは1万8000平方マイル(約4万6620平方キロ)。米ニュージャージー州の面積のほぼ2倍に当たる。
鉱物資源の開発許可は環境保全地区と先住民保護地区以外の地域が対象と説明。2010年の公式報告書では、これらの保全地区などは全地域の最大3分の2を占める。
政府は以前、同国立保護区は金や鉄などの鉱物が豊富と主張。資源採掘の許可は史上最長の不況を脱したばかりの同国経済に新たな投資と雇用を招くと説いた。政府は今年7月、鉱業再生の新たな計画を発表し、経済全体に占める割合を4%から6%に高める目標を据えていた。
政府はまた、保護下にある全ての熱帯雨林地域の10%を鉱物資源の採掘のため開放する計画も既に公表。同国で採掘が進む地域の面積は小規模や違法なものもあり実態の把握が難しい。
今回の新たな方針には環境保護団体などが反発。世界自然保護基金(WWF)ブラジル支部は、森林破壊、多様性の喪失や水資源の損失につながると警告した。
団体「熱帯雨林基金」は、熱帯雨林の広さ約1エーカーが1秒ごとに消滅し、熱帯雨林全体の20%が過去40年で破壊されたと推定。アマゾン地方の広さは12億エーカー(約485万6000平方キロ)で、世界の酸素供給量のうち20%を生んでいる。