パリに観光客戻る、今年上半期で10%増 テロ後の苦境克服
ロンドン(CNNMoney) フランスのパリ観光局は24日までに、今年上半期(1〜6月)における外国人観光客らのホテル宿泊客が計1640万人と前年同期比で10%増を示したと報告した。
米国、英国や中国からの訪問客増大が主な要因。パリで2015年11月に発生した同時多発テロ事件以降、フランスでは非常事態宣言が続き、観光業界は甚大な打撃を被った。パリへの観光客増加はその苦境の克服を示す。
観光局によると、訪問客の消費支出は今年上半期、101億ユーロとなり、前年同期を11億ユーロ上回った。支出額が増えたのは過去3年で初めて。
パリへの訪問客は昨年、150万人減少し、外国人は約9%落ち込んでいた。中国人は21%減、日本人は40%減を記録。観光名所であるエッフェル塔の見物客は100万人、ルーブル美術館は130万人それぞれ減っていた。
フランスの統計局によると、観光業の不振により同国の経済成長率は0.2ポイントの低下を強いられた。今年は観光業の復調を見込んでいるが、新たな大規模テロが起きないとの条件つきとなっている。
パリ市当局は観光客てこ入れの施策も打ち出し、訪問客が少ないモンパルナス、バスチーユやチャイナタウンの宣伝を強化。主要な観光施設での待ち時間削減の対策も講じ、観光客向けの割引きパスも導入した。