イランで観光客急増、制裁の影響薄れホテルも建設ラッシュ
スペインのメリアは18年に最初のホテルのオープンを見込む。アラブ首長国連邦(UAE)のロタナも来年早々に1軒、20年までにさらに3軒の建設を予定している。
英国の格安チェーン、イージーホテルは今年7月、同国で500室を提供する契約を結んだとされる。
イランの観光当局は25年までに2000万人以上の観光客を誘致するとの目標を掲げる。需要は十分にありそうだ。
新たに訪れる観光客は、同国の歴史や文化に関心を持つ欧州、アジアの若者が中心。イスファハンやシラーズといった古都の観光が人気だ。ペルセポリスの遺跡は世界遺産に指定されている。
国内5カ所でホステルを経営するジャラル・ラシェディさんによると、格安の宿泊施設を求める旅行者が多い。ラシェディさんのホステルは、朝食とインターネット接続付きで一泊15ドル(約1600円)だ。
「ここ数年増えてきたのは個人旅行の若者。好奇心と冒険心に富み、イランの真の姿を知りたがっている。ホステルを利用する旅行者が多い」という。
世界経済フォーラム(WEF)が今年まとめた報告で、イランは世界で最も安く旅行できる国に挙げられている。
ただし、欧米からイランに入国するにはビザが必要だ。到着時に取得できるケースが多いが、米国、英国、カナダからの旅行者は事前に申請する必要がある。
一部の制裁はまだ解除されていないため、外国の銀行と提携関係がなく、欧米のクレジットカードも使えない。そのためホテルの予約金が支払いにくいなど、課題は残っているようだ。