米旅行業界にも復活の兆し、宿泊の予約や旅客機の利用が増加
ニューヨーク(CNN Business) 夏の旅行シーズンを前に米国の旅行業界にも復活の兆しが見えつつある。新型コロナウイルスの感染拡大抑止に伴う外出規制が緩和され、さまざまな分野で需要が増加している。
民泊仲介サイト大手Airbnb(エアビーアンドビー)によれば、自宅や集合住宅などのレンタルサービスで夏季の予約が増加したという。5月17日から6月3日までの期間の米国での予約は前年同期で増加した。予約増加の動きは続いているようで、6月5~7日の全体の予約数は2月以降初めて前年比を上回った。
エアビーによれば、自宅から200マイル(約321キロ)以内の自動車で移動できる範囲が好まれているほか、リモートワークへの移行が進んでいることから予約期間も1週間かそれ以上となっているという。
航空業界でも需要増加に向けて増便を進めている。アメリカン航空は7月の増便に向けて待機させていた140機の旅客機を再稼働させる。7月の便数は通常時の55%だが、6月の同20%と比べると大きな増加となる。フロリダ州や西部の山間部へ向かう乗客が増えているという。
デルタ航空は6月、国内便を100便増加した。ユナイテッド航空は国際便の復旧に向けた取り組みを進めている。
米メディア・娯楽大手ウォルト・ディズニーがフロリダ州で運営しているテーマパークも7月から段階的に営業が再開される。入場者数の制限や人と人との距離を保つなど、健康面や安全面を考慮した措置を強化するという。
ギャンブルの街としてしられるネバダ州ラスベガスでも活動再開の動きが出ている。シーザーズやMGMリゾーツは予想よりも早く営業再開を発表した。
米運輸保安庁(TSA)によれば、6月11日に空港で検査を行った人数は約50万人で3月下旬以来の高水準だった。前年同期比では81%の減少だが、5月の同90%減や4月の同95%減よりも回復している。保安検査を通過した人数が最も少なかったのは4月14日で約8万7500人だった。