トイレットペーパーの買いだめは「誠実さ」のせい? 米欧研究
(CNN) 新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るった当初、店舗の棚からトイレットペーパーが消える事態ともなったが、その原因として「誠実さ」が影響していた可能性があるとの研究結果が科学誌プロスワンに発表された。
報告書の共同執筆者であるスイス・ザンクトガレン大学の博士課程の学生リサ・ガルベさんは「なにか学説を用意していたわけではなかった。ただ、個人的な要素の影響について知りたかった」と述べた。
ガルベさんは他の2人の研究者とともに、欧米の35カ国の成人1029人を対象に調査を実施。新型コロナウイルスが猛威を振るっていた3月23日から29日にかけてのトイレットペーパーの購入について質問した。
研究ではまた、「HEXACO」と呼ばれる方法で回答者の性格を調べた。HEXACOは2000年にカナダで開発されたもので、個人の性格について、「正直さ-謙虚さ」「感情的」「外向的」「協調的」「誠実さ」「開放的」の6つの要素を使って分析する。
ここでいう「誠実さ」は、秩序や勤勉、完璧主義、用心深さなどを意味している。
こうした分類に属する人が最もトイレットペーパーを買いだめしたりパニックになって購入したりしたと報告した。こうした人たちは、前もって計画したり、入念すぎる準備をしたりするといえるかもしれない。
研究の最後の部分では新型コロナウイルスに脅威を感じたかどうかを尋ねた。最も脅威を感じた人たちが最もトイレットペーパーを買いだめしていた。
ガルベさんは、「ここが今回の研究の最も重要な点だった」と指摘。「何かに脅威を感じると人は非合理的な行動を始める。非常に人間的だ」と述べた。