米FRB、低金利継続を表明 インフレ懸念一蹴

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米連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長=2020年12月1日、米ワシントンDC/Al Drago/POOL/AFP/Getty Images

米連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長=2020年12月1日、米ワシントンDC/Al Drago/POOL/AFP/Getty Images

ニューヨーク(CNN Business) 米連邦準備制度理事会(FRB)は27日、政策金利の据え置きを決定するとともに、近い将来に金利を引き上げる計画はないと市場に表明した。

政策金利は当面の間、現在の記録的な低水準にとどまる見通し。FRBはインフレ圧力が低金利継続の妨げになる懸念はないとしている。

一部の投資家はインフレ圧力に神経質になっているほか、FRBが近い将来に金融緩和縮小に踏み切った場合に市場が混乱する可能性についても懸念を示している。だがFRBはこの日、こうした懸念の沈静化を図った。

FRBのパウエル議長は記者会見で、米国では低インフレが何年も続いていると指摘。経済活動の再開に伴い支出が爆発的に増え、消費者物価が上がる可能性はあるものの、その影響は一時的なものにとどまるとの見方を示した。

パウエル氏は「高インフレに対処する方法は分かっている」とも述べ、政策の観点からは低インフレへの対応の方がはるかに難しいとの認識を示した。

クイル・インテリジェンスの最高経営責任者(CEO)兼チーフストラテジスト、ダニエル・ディマルティノ・ブース氏は「FRBの緩和縮小に関する懸念は現時点では時期尚早だ」と説明。新型コロナウイルスワクチンの配布が遅れているため、FRBが金融緩和からの離脱を進めるとしても、2022年半ば以降にずれ込む公算が大きいとの見方を示す。

2008年の金融危機後の対応では、FRBが危機対応政策の縮小を発表したことを受けて米国債の利回りが高騰し、金融市場全体に影響が波及した。これは通常「テーパー・タントラム(緩和縮小を巡る混乱)」と呼ばれる。

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