たばこのニコチン含有量、依存性なくす水準に 米政権が新規制を検討か
ニューヨーク(CNN Business) バイデン米政権がたばこメーカーに対してニコチン含有量の引き下げを義務付ける規制強化を検討中と報じられ、米株式市場の19日午後の取引でアルトリア・グループ(旧フィリップ・モリス)株が急落した。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、たばこのニコチン含有量を依存性がなくなる水準まで減らす内容の規制強化をバイデン政権が検討中と報じた。ニコチンは疾病の直接的な原因にはならないものの、依存性が高く、愛煙家がたばこをやめられない一因となっている。
アルトリアの株価は6%以上下げ、時間外取引でさらに2%下落した。
WSJによると、バイデン政権はニコチン含有量の引き下げと同時に、メンソールたばこを禁止すべきかどうかも検討しているという。
ホワイトハウスにコメントを求めたが、返答はなかった。たばこ製品を規制する米食品医薬品局(FDA)は、ニコチン含有量引き下げの新規制に関してコメントを避けている。
FDAはメンソールたばこを禁止するかどうかをめぐり、今月29日までに市民からの請願に回答する。FDAを含む各種機関の調査によると、メンソールたばこは若者が吸うことが多く、禁煙が難しい可能性がある。
規制が強化されたとしても施行は何年も先になる見通しだが、たばこメーカーにとってはたばこの依存性を低下させ、喫煙を始める若者の数を減らすことによる影響は甚大だ。
アルトリアは米国でマルボロ、バージニアスリム、パーラメントなどのたばこを販売している。CNNに寄せた声明では、FDAが行動を起こす場合、農家から全米の販売店に至るまで何十万もの雇用に与える影響や、闇市場が台頭する可能性など、実世界の影響について考慮する必要があると牽制(けんせい)した。