ゴールドマンとJPモルガンもロシア撤退、米大手銀で初
ニューヨーク(CNN Business) 米金融大手のゴールドマン・サックスが10日、ロシアからの撤退を発表した。ロシアのウクライナ侵攻を受けて撤退を表明したのは米大手銀行としては初めて。
ゴールドマン・サックスの広報は「規制および許認可要件に従って、ロシアの事業を縮小している」とCNNに説明した。
米最大手のJPモルガン・チェースも、ロシア事業と同国での新規事業追求を「積極的に解消している」と発表。「世界中の政府の指示に従っている」と説明した。
米ウォール街で最も大きな影響力を持つ金融機関2社の撤退は、ロシア経済にとっての新たな打撃となる。
ゴールドマン・サックスの広報は「この市場に現存する債務の管理や清算において、世界中の顧客のサポートに力を入れる」と述べた。ロシア撤退に伴うコストについては明らかにしていない。
ゴールドマン・サックスの先月の報告によると、昨年末の時点でロシアへのエクスポージャーは6億5000万ドル(約755億円)だった。関係者によれば、ロシアでは約80人を雇用している。
一方、JPモルガンは、ロシアでの現在の活動は「限定的」で、世界の顧客の対応支援や清算支援、ロシア関連リスク管理支援などに当たっているとした。
米シティグループは9日、先に発表したロシアのリテール事業撤退の取り組みを継続していることを確認し、リテール事業は「現在の状況に基づきさらに限定的」になっていると説明。法人事業についてはロシア事業の中止や清算を決めた米国や欧州の多国籍企業を支援しているとした。