日本製鉄のUSスチール買収、米政府の精査受ける可能性 商務長官
(CNN) レモンド米商務長官は21日放送のテレビインタビューで日本製鉄のUSスチール買収計画に触れ、米政府の反発に直面する可能性があるとの見解を示した。
レモンド氏はCNBCテレビのインタビューで、「バイデン大統領は安全保障上の観点から、米国に活気ある鉄鋼産業を維持することを重視している」と述べた。
レモンド氏はUSスチールが日本製鉄による141億ドル(約2兆円)規模の買収に同意したことには直接言及しなかったものの、外国企業が米国の製鉄会社を買収する場合、取引のさらなる精査が必要になると指摘した。
「かなりの精査を受けることになると言うのが妥当だろう。我々は米国の鉄鋼業界や生産、鉄鋼労働者を守らねばならないからだ」(レモンド氏)
USスチールはかつて世界最高の時価総額を誇る企業だったが、米国経済が製造業からサービスに軸足を移す中、122年の歴史を持つ同社の事業は衰退した。USスチールの昨年の売上高210億ドルは小売り大手ウォルマートなら2週間で稼げる額だ。
ただ、売り上げは落ちているものの、今回の取引には鉄鋼産業と米国の議員の双方から反発の声が上がっている。
全米鉄鋼労働組合は「貪欲」で「近視眼的」な取引だとして、規制当局に外国企業へのUSスチール売却を阻止するよう要請した。
レモンド氏も労働組合の懸念に呼応するように、米政府は「米国の労働者や鉄鋼労働者組合、鉄鋼産業を弱体化させる取引は絶対支持できない」と強調した。
共和党のJ.D.バンス上院議員は、鉄鋼業界が軍装備品の生産に果たす役割を踏まえ、外国企業による買収を拒否するよう要請。民主党のジョン・フェッターマン上院議員も取引の阻止に動く考えを明らかにした。