通行車両の力も活用、「超軽量」の小型タービン登場 英
センサーも追加設置
スコットランドのエジンバラ大学工学大学院のアラスデア・マクドナルド教授(アルファ311社とのつながりはない)は、興味をそそるアイデアだとしつつも、タービンの大きさや設置場所の制約を指摘した。「一般的に、小型の風力タービンは接地面積あたりの発電量が少ない。大型タービンよりも設置場所が低く、1度に捕えられる風量が少ないためだ」と教授は言う。
「気流も乱れがちで、エネルギー抽出が困難になり、余計な負荷がかかることもある。それに通行車両からエネルギーを抽出するのは、一般的な風からエネルギーを抽出するのとはわけが違う。しばしば道路は意図的に風除(よ)けがされているためだ」(マクドナルド教授)
アルファ311社ではそれぞれ設置場所の分析を行い、交通量、通行車両の数や規模、平均通行速度を測定しているという。また高速道路の中央に設置すれば、実質的に気流は倍増するため、「8倍ものの風量をエネルギーに変換できる」そうだ。騒音対策として樹木やフェンスを設置している幹線道路では風にトンネル効果がもたらされるため、深夜など交通量が少ない時間帯でもタービンを稼働できるとも指摘している。
これに加えてマクドナルド教授は、街灯に設置するアイデアは風力発電では画期的だとしつつも、既存の街灯に後付けするのは困難なケースもあると述べている。
小型タービンは1基あたり1万5000ポンド(約272万円)と割高だが、設置した後は電気代を大幅に削減できる。やがては無料で発電できるので、数年もすれば費用を回収して利益を上げられるとトンプソン氏は語った。
エネルギー出力に加え、タービンにセンサーを装着して大気の質や交通量を測定することも可能だ。トンプソン氏は実用化に関して、来年は200基、大量生産体制が整えば数千基規模での設置を見込んでいる。
「当社のような再生エネルギー技術の導入は、地方の自治体に直接メリットになる」と同氏は言う。「それこそが、再生エネルギーを活用した分散型社会へ移行する上でのカギだ」