マリフアナ、アルツハイマー治療に有効か 米研究者が注目
(CNN) 医療用マリフアナに含まれる成分が、アルツハイマー病治療の助けになるかもしれないという研究結果がこのほど発表された。
米ソーク研究所のデービッド・シューベルト氏は、テトラヒドロカンナビノール(THC)といったマリフアナに含まれる精神活性成分のカンナビノイドに着目。同成分にはアルツハイマーの特徴である脳内のアミロイド班の除去を促進させる効果があるほか、脳の神経細胞を破壊する炎症を防ぐ効果もあることが分かった。
「合理的な結論として、カンナビノイドにはアルツハイマー病治療薬としての可能性がある」とシューベルト氏は解説する。
同氏の初期の研究には米アルツハイマー病協会も補助金を拠出し、同協会の研究者もマリフアナ成分によって脳の炎症を軽減できる可能性に目を向けている。
ただしそれほど楽観的な見解ばかりではない。認知症に対する医療用マリファナの効用について研究しているミシガン大学のドノバン・モースト准教授は、「たとえ班の除去が促進されたとしても、人に及ぼす効果を見極めるのは難しい」と指摘した。
一方、デューク大学のデービッド・カサレット氏は、「軽度から中程度の認知症患者の家族の多くは、THCや大麻草に混乱や興奮を和らげる効果があると信じている」と話す。
シューベルト氏はカンナビノイドについてさらに研究を進めたい意向だが、マリフアナ関連の研究には規制が多く、この分野の研究者や臨床試験も数少ない。それでも同氏は「医療用マリフアナは真の医学に利用できると確信している」と力を込めた。