若いラットの幹細胞を心臓に直接注入、若返り効果確認
こうした効果が表れる理由について研究チームでは、リボ核酸(RNA)のような核酸を豊富に含んだエキソソームが前駆細胞から分泌され、損傷に対する組織の反応パターンや、組織内での遺伝子の発現パターンを変化させるという仮説を立てている。
マーバン所長によれば、エキソソームが心臓に作用して心機能を改善させ、運動能力の向上や体毛の再生といった長期的な効果をもたらしているという。
今後は心臓幹細胞を心臓に直接注入するのではなく、静脈内に投与する方法で同じ効果が得られるかどうか調べる研究に着手する。
今回の研究には直接携わっていない米ミシガン大学の研究者トッド・ヘロン氏は、この研究を評価しながらも、人間に応用するためにはもっと大型の動物を使った長期的な研究が必要だと指摘している。