「幽霊」の扮装で外出制限に協力、インドネシアの若者グループ
(CNN) 白いシーツをまとって幽霊に扮し、夜道を出歩く住民らを追い返す――。インドネシア中部ジャワ州の村で、若者らのボランティアグループが新型コロナウイルス感染対策の外出制限に一役買っている。
インドネシアには墓場に出没する「ポコン」という幽霊の言い伝えがある。遺体を埋葬する時と同じように全身を白い布で包み、頭と足の先を縛った姿で、飛び跳ねながら移動するという。
同州スコハルジョ県の村では、ボランティアの若者らが地元警察と協力し、今月初めから2~3日ごとにポコンの扮装でパトロールを続けている。
当初はソーシャルメディア上で話題になり、幽霊をひと目見ようと外出する人がかえって増えてしまったが、その後は一定の成果を挙げているという。
村長はロイター通信の取材に対し、住民にはまだ感染抑制の意識が足りず、外出を控えるよう呼び掛けても聞き入れずに日常生活を送る人が多いと話した。
米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、インドネシアではこれまでに新型ウイルス感染者が4557人確認された。死者は399人と、中国を除いて東南アジアで最も多い。
国営アンタラ通信によると、ジョコ・ウィドド大統領は13日、感染拡大を国家災害と宣言した。ただし今のところ、国家規模の全面的なロックダウン(都市封鎖)措置には踏み切っていない。
今月下旬に始まるイスラム教の断食月(ラマダン)には、人々が移動したり集まったりする機会が増えることが予想される。同国では制限を強化しなければ来月までに感染者が150万人、死者は14万人に達するとの試算も発表されている。