新型コロナ、肥満で重症化リスク上昇 ワクチン効果に影響も 米研究
(CNN) 肥満は新型コロナウイルスの感染と重症化のリスクを高めるほか、ワクチンの効果を低減させる可能性があるとの新たな研究結果を米ノースカロライナ大学の科学者らが発表した。
研究では今年1~6月に行われた75件の研究データを検証。関連した新型コロナ患者は合わせて40万人となっている。
その結果、肥満の人はそうでない人に比べて感染リスクが46%、入院が必要となるリスクが113%、それぞれ高まることが分かった。
また集中治療室(ICU)に入るリスクは74%、ウイルスによって死亡するリスクも48%、高かったとした。研究の結果は26日刊行の肥満に関する学術誌で報じられた。
肥満は以前から新型コロナ感染症が重症化するリスク要因として知られている。心臓病や糖尿病、高血圧といった基礎疾患は肥満と結びついたものだからだ。米疾病対策センター(CDC)の報告によると、2017~18年には米国の成人の42%が肥満に相当するとみなされていた。
今回の研究では肥満の人について、免疫反応の弱さからワクチンも効きにくくなる可能性があるとしている。過去に成人の肥満とインフルエンザワクチンの効き目の低下を関連付けた研究結果が出ており、同じことが新型コロナでも起こり得るという。
ただそれは肥満の人にワクチンが効かないというわけではなく、ワクチンを試す際に肥満を変異因子と認識する必要があることを意味していると研究者らは指摘する。
研究に携わったノースカロライナ大学のメリンダ・ベック教授は「効き目が比較的弱いワクチンであっても、ある程度の免疫は獲得できるはずだ」と述べた。