コウモリは未来を予測? 米ジョンズ・ホプキンス大研究
(CNN) 昆虫を捕食するコウモリは、自分の周りの世界の3次元立体モデルを作成しながら、獲物がどう動くかを予測している――。米ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームがそんな研究結果を米科学アカデミー紀要に発表した。
コウモリは視覚以外の感覚にも頼って正確に昆虫を追いかけて捕まえることができると研究チームは指摘。この研究は、人が情報をどう認識して処理するかを理解する手掛かりにもなるとしている。
コウモリは、超音波を発して返ってくる反響からの情報を利用する反響定位を通じて獲物を捕っている。研究チームによれば、反響が返ってくるまでにどれくらいかかるかといった情報を利用して「自分たちの周りの世界の3次元モデル」を作成しているという。
しかしこの反響が樹木などの物体に遮られ、モデルにギャップが生じることもある。そこで研究チームは、コウモリがバラバラになったモデルをつなぎ合わせて、獲物がどこへ行くかの予測モデルを作成できるかどうかを実験した。
研究チームが訓練したコウモリは訓練して研究室の台の上に座らせ、獲物の昆虫は動くスピードを制御して、高速カメラでコウモリの様子を観察した。
その結果、コウモリは反響情報を利用しているだけでなく、昆虫が次の時点でどこへ行くかを予測していることが判明。たとえ反響が一時的に遮られたとしても、昆虫が動くスピードを推計して次に現れる場所を予測していることが分かった。
「コウモリは、雑音に遮られて獲物を一時的に見失ったとしても、再びどこに現れるかを予測できることが分かった」と研究者は解説している。