不安障害の患者にLSD投与、1回で即効性と持続性確認 FDAが「画期的治療薬」に指定 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
LSDについて語るティモシー・リアリー氏=1967年4月7日、米ニューヨーク/Eddie Adams/AP via CNN Newsource

LSDについて語るティモシー・リアリー氏=1967年4月7日、米ニューヨーク/Eddie Adams/AP via CNN Newsource

臨床試験に使ったMM120は、禁止薬物として出回っているLSDと違って「バッドトリップ(不快な幻覚作用)」を引き起こさないとカーリン氏は説明。「LSDは純度の高い製造が難しく、光や水で瞬く間に劣化する傾向がある」「我々はこれを医薬品業界の基準に従って製造し、純度と安定性を高めた。これは決定的な違いだ」と強調する。

副作用については、被検者が軽度から中程度と評価する症状があった。ほとんどは試験の当日に、陶酔感、錯覚や幻覚、不安、異常思考、頭痛、めまい、吐き気、多汗、嘔吐(おうと)、皮膚のしびれやピリピリ感、瞳孔拡張などの症状が表れた。

MM120の臨床試験は2022年8月から始まった。カーリン氏によると、医療現場でLSDの研究が行われたのは約40年ぶりだった。

1940年代から50年代にかけては、がんの不安、アルコール依存症、うつ、合成麻薬の使用による障害、PTSDなどの症状に対する効果を検証するため、何万人もの患者がLSDなどの向精神薬を使用した。研究者は「心理療法を短縮させる新たな手段」になり得るとして幻覚剤に期待を寄せた。

しかしハーバード大学で心理学を研究していたティモシー・リアリーとリチャード・アルパートの両氏が学生にLSDを使用させていたことが発覚して63年に解雇されると、幻覚剤使用の研究はすたれていった。

メールマガジン登録
見過ごしていた世界の動き一目でわかる

世界20億を超える人々にニュースを提供する米CNN。「CNN.co.jpメールマガジン」は、世界各地のCNN記者から届く記事を、日本語で毎日皆様にお届けします*。世界の最新情勢やトレンドを把握しておきたい人に有益なツールです。

*平日のみ、年末年始など一部期間除く。

「米国」のニュース

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]