ピラミッド建設の謎解く鍵か、ナイル川支流の存在が明らかに 新研究
ゴネイム氏によると、川の痕跡は航空写真や光学衛星からの画像では見えない。実際、広範囲のレーダー衛星のデータから新たな地下水源を明らかにするかもしれない古代の川や湖を調査していて初めて思いがけない発見に至ったのだという。
エジプトで生まれ育ったゴネイム氏にとってピラミッド群は身近なものであり、なぜその場所にピラミッドが建てられたのか常に疑問に思っていた。ゴネイム氏は詳しく調査するために米国立科学財団に申請。地中探知レーダーと電磁気トモグラフィーを使って地上レベルで採取した地球物理学データから、ナイル川の古代の支流であることを確認した。調査チームは掘削装置を使って採取した土壌から、深さ約25メートルの河道と一致する砂質の堆積物を発見した。
この研究によれば、この支流の川岸沿いの農地や砂漠の下にはまだ「無数の」神殿が埋もれている可能性があるという。
なぜこの支流が干上がったのか、あるいは消滅したのかはまだ明らかになっていない。ゴネイム氏は干ばつと砂漠化がこの地域に砂を運び、川をふさいだと推測している。