ピラミッド建設の謎解く鍵か、ナイル川支流の存在が明らかに 新研究
(CNN) エジプトの大ピラミッドをはじめとするギザの古代遺跡は、サハラ砂漠の端にある孤立した場所に存在する。一部の考古学者らは以前、かつてナイル川がこれらのピラミッドの近くを流れ、4700年前に始まったピラミッドの建設を後押ししたという証拠を発見した。
学術誌「コミュニケーションズ・アース・アンド・エンバイロメント」に16日に発表された研究では、衛星画像を使い、堆積(たいせき)物の中心部を分析することで長い間農地と砂漠の下に埋もれていた長さ64キロの干上がったナイル川支流の地図を作成した。
この研究の筆頭著者エマン・ゴネイム氏は「これは、長い間不明だったナイル川の古代の支流を示す最初の地図を提供する初めての研究だ」と語る。
古代エジプト人は消滅した「アフラマト支流」を使ってピラミッドを多数建設した可能性が高い/Eman Ghoneim et al
この支流の幅は約0.5キロ、水深は少なくとも25メートルで、現代のナイル川に似ているという。
ゴネイム氏は、支流が大きく、長く、調査地域の31のピラミッドに近接していることは非常に重要な水路として機能していたことを強く示唆していると話す。
この川は、古代エジプト人がピラミッド建設に必要な膨大な量の建築資材や労働者を運搬する上で重要な役割を果たしていただろうという。
「我々の調査によると、調査地域のピラミッドの多くには、支流の流れに直交し、その川岸に直接終着する儀式用の高架歩道である土手道もある」