ビル・コスビー氏に女性への性的暴行疑惑
(CNN) 米人気俳優・コメディアンのビル・コスビー氏の共演した女性への性的暴行疑惑が持ち上がり、一部のテレビ局では番組企画を中止する騒ぎとなっている。
18日には元モデルのジャニス・ディキンソンさんがテレビ番組内で、1982年にコスビー氏に性的暴行を受けたと告白。タホ湖のほとりで夕食をともにした後に襲われたとしている。
だがコスビー氏の弁護士はディキンソンさんの主張を「嘘だ」と一蹴。ディキンソンさんの自叙伝や過去の雑誌インタビューでの発言と今回の「告発」は矛盾していると指摘した。
性的暴行疑惑はこれまでも浮上していたが、そのたびにコスビーさんは否定してきた。だがコメディアンのハンニバル・ビューレス氏がコスビー氏のことを「レイプ魔」と呼んだビデオがインターネットで話題になったことをきっかけに、過去の疑惑が次々と蒸し返され、これまで築いてきた「よき父親」のイメージに傷がついた。
18日にはオンライン動画配信ネットフリックスが28日に開始予定だったコスビー氏の番組の配信を延期すると発表。翌19日には3大ネットワークの1つNBCが、コスビー氏を主役にしたコメディドラマの企画を中止したと明らかにした。
これまでに性的暴行の被害を訴えたのは元女優やモデルなど計6人。1969年から80年代にかけて、コスビー氏から与えられた飲み物や薬を口にして意識を失い、その間に暴行されたと主張している。
うち1人は刑事事件としての立件を求めたが検察は証拠不十分と判断。のちに民事訴訟を起こし、コスビー氏は和解に応じている。
テレビ局の取材で疑惑について尋ねられたコスビー氏は、首を横に振るだけでコメントしなかった。