米人気シェフ、アンソニー・ボーデインさんが自殺 61歳
(CNN) 才能豊かなシェフで著書やテレビ番組への出演などでも著名だったアンソニー・ボーデインさん(61)が8日、滞在先のフランスのホテルで死亡しているのが見つかった。死因は自殺。
親友のフランス人シェフが8日朝にホテルの部屋を訪れ、意識のないボーデインさんを発見した。
ボーデインさんはCNNなどのテレビ番組で世界を旅し、各地の文化や料理、人々を紹介していた。フランスにはCNNのシリーズ番組「パーツ・アンノウン(邦題:アンソニー世界を駆ける)」の制作で訪れていた。
CNNは声明で、「我々の友人で同僚でもあるアンソニー・ボーデインの死を確認するのは非常に悲しい」「素晴らしい冒険や新たな友人、おいしい料理や飲み物、世界各地のエピソードへの愛が彼を唯一無二の語り手にしていた」と述べた。
ボーデインさんがCNNに加わったのは5年前。CNNのジェフ・ザッカー社長は従業員へのメールで、ボーデインさんは「並外れた才能」の持ち主だったと述べ、その死を悼んだ。
トランプ米大統領は8日朝、ボーデインさんの遺族に弔意を示し、「彼の番組は面白かった」「素晴らしい人物だった」と言及。オバマ前大統領は同日ツイッターで、2016年のアジア歴訪中にベトナムで食事を共にした経験を振り返った。
ボーデインさんは米ニュージャージー州レオニアで育ち、10代の頃からキッチンで働き始めた。ニューヨークの大学に2年通った後に退学し、料理学校に入学。米北東部でコックや副料理長を務め、マンハッタンのレストラン「ブラッスリー・レ・アール」で総料理長に就任した。
40代前半には著作でも頭角を現し、1999年に料理界の裏話などを描いた米誌ニューヨーカーへの寄稿で注目され、2000年のベストセラー「キッチン・コンフィデンシャル」につながった。料理番組の案内役として国際的なスターへの道を歩み、13年からCNNに出演していた。