トランプ氏の早すぎる「勝利宣言」、各局の司会者が非難
ニューヨーク(CNN Business) 3日投票の米大統領選で共和党候補のトランプ大統領が早すぎる「勝利宣言」を行った件で、主要テレビ各局の司会者がその否定に追われ、トランプ氏を非難せざるをえない状況となった。
トランプ氏は4日未明、ホワイトハウスのイーストルームで支持者らを前に、まだ何百万もの未集計の票がある段階で、合法的な票の集計作業を「いんちきだ」と根拠なく批判。その後、選挙に「勝利した」とも発言した。
米主要テレビ局の全てがトランプ氏の会見を放映していたが、NBCニュースとMSNBCは途中から司会者が割り込み、トランプ氏がうその情報を発信していると注意を喚起する事態となった。
NBCニュースのサバンナ・ガスリー氏は「ホワイトハウスでの大統領の話を聞いていたが、いくつかの発言が率直に言って真実ではないため割り込まざる得ない状況となった」と伝えた。
MSNBCのブライアン・ウィリアムズ氏は視聴者に対して、大統領の話に割り込むのは気が進まなかったものの、その発言は「全く事実に基づいたものではない」と述べた。
その他の主要各局はトランプ氏の演説を最後まで放映したものの、演説終了後はファクトチェックに追われた。
CNNのジェイク・タッパー氏は「トランプ大統領が勝利宣言の中で述べたことのほぼ全てが真実ではない」と述べた。
第1回大統領候補討論会の司会も務めたFOXニュースのクリス・ウォレス氏は「ひどく炎上しやすい状況となっているが、大統領はそこにマッチを投げ入れた」「大統領はこれらの州でまだ勝利していない」と伝えた。
ABCニュースではテリー・モラン特派員が「これは法でも政治でもない。劇場だ」「率直に言って、権威主義の劇場だ」と話した。
CBSニュースのノラ・オドネル氏は、トランプ氏が「選挙結果という事実を骨抜きにする」罪をおかしたと述べた。
トランプ氏は過去数カ月にわたり、選挙は不正が仕組まれ民主党に盗まれるとの陰謀論や誤った主張を展開。特に新型コロナウイルス流行で急増した郵便投票に批判の矛先を向けていた。
各局ニュース幹部は、トランプ氏が選挙当日の夜に早すぎる勝利宣言を行うかもしれないと警戒していた。情報筋によると、そうした宣言が話の文脈のなかで放映される可能性を認識していたという。