陰謀論者に60億円の懲罰的賠償を命令、小学校乱射遺族の名誉毀損 米陪審
ニューヨーク(CNN Business) 2012年に起きた米サンディフック小学校銃乱射事件の被害者の両親が陰謀論者アレックス・ジョーンズ氏を相手取って提起した訴訟で、テキサス州の裁判所の陪審は5日、ジョーンズ氏に4520万ドル(約60億円)の懲罰的損害賠償を命じる判断を下した。
原告のニール・ヘスリン氏とスカーレット・ルイス氏は補償的損害賠償と懲罰的損害賠償あわせて4930万ドルの賠償を認められた。このうち、懲罰的損害賠償の4520万ドルについてはテキサス州の法令により減額される可能性がある。
ルイス氏は5日、陪審の判断について知った後、「思いやりと気遣いはとても大切。それがないときに何が起きるかを私たちは目の当たりにした」などと語った。
陪審員は米中部時間の午後0時半ごろに評議を開始した。これに先立ち、裁判官は陪審に対し、ジョーンズ氏はすでに名誉毀損(きそん)および「故意に精神的苦痛を与える行為」につき責任を認められていると説明した。
ルイス氏とヘスリン氏の弁護士は最終弁論で陪審に対し、「とてもシンプルなメッセージをどうか送ってほしい。アレックス・ジョーンズを止め、誤情報とうその収益化をやめさせてほしい」と述べていた。
懲罰的損害賠償は被告の行動に対する制裁の一種。ジョーンズ氏は陰謀メディア「インフォウォーズ」のトップで、サンディフック事件について繰り返しうそを述べた。被害者や遺族に関する陰謀論をあおり、複数の名誉毀損訴訟を起こされている。